Cold Phantom [後編]
小学生くらいの背丈の少年がヒロ君の部屋の前に立っていた。

それもドアを背にして此方に視線を向けた状態で…

しばらくの静寂…嵐が吹き荒れる窓を揺らす音だけがその間に割って入っていた。

不思議と怖いとは思わなかった。

その小さな体つきの男の子には見覚えがあった。

あれは…そう、あれは確か私が気絶した直前に見たあの時の少年だった。

私はその子を知っていた。

でも…

「君は、誰?」

私はその子の名前は知らなかった。

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