ボーイフレンド
「なあ、覚えてるか? 俺らが初めて話した日」
真哉は私の隣に立って語るように話始めた。
私はうなずいた。
「佐奈、屋上で泣いてた。で、俺が話しかけたらうるさいってパンチが飛んできてさぁ」
真哉が笑っている。
「あの時、まじびびった。何で殴られたのか今もわかんねえ……そっから、よく話すようになったよな」
私はうなずく。
「そんで、いつのまにかこんなに仲良くなってましたみたいな!」
はははっと真哉が笑った。
――しばらくの沈黙がながれた。
私は真哉に何を言ったらいいのか分からなかった。
「佐奈?」
ただ…ただ真哉を思うと涙が出た。
「え? なっなんで泣くんだよ!?」
「ん……」
私はその場に座り込んだ。
「……佐奈?」