ボーイフレンド
「……ごめんね」
それだけ言うと、涙がつぎつぎあふれでてきて、嗚咽まじりに思いっきり泣いた。
そんな私を真哉がしっかりと抱きしめた。
私は驚いた。
ゆっくりと私を離し、真哉が私の髪の毛に触れる。
「俺のほうこそ……ごめんな」
私は、真哉は悪くないという気持ちを込めて、首を横に振った。
「ありがとう」
真哉のお礼の言葉。
私は、抱き返した。
「……大好きだよ」
小さな声がでた。
ゆっくりと真哉に本音を話す。
「大好き……大好きなんだよ!? ずっとずっと一緒にいれたらいいなって思う。だけどね、愛せないの。やっぱり真哉は友達で、付き合うとかそういうのはなんか違って……ごめんね。……ごめん」
「……うん」
真哉の顔をみるとにっこりと微笑んでいた。
私は、涙目で微笑み返した。
真哉がゆっくりと立ち上がり、出口に向かって歩き出した。
笑っていた。
さようなら。
ドアが閉まる音がして、
風がとおって、
私はまた、空を見上げて泣いた。
真哉も本当は泣いていたんだと思う。