時空の森と悪戯な風
5分もしないうちに圭介が来た。
「もしかして帰ってないの?」
コーヒーを入れながら訊いた。
「まぁな…弥生、灰皿貸して」
上着のポケットからタバコを出し、火を点けた。
コーヒーと灰皿をテーブルに置き、アタシもソファーに座った。
どう切り出そう…
“本当に同僚の家に泊まったの?”
違うなぁ…
“噂の森って知ってる?”
でもないなぁ…
沈黙を破ったのは圭介だった。
「弥生…俺に隠してる事あるだろ?」