時空の森と悪戯な風

次の日の朝早く。
 
イヤな音で目が覚めた。

カーテンを開けて見てみると、雨が降っていた。



「止むだろうか…」



取り敢えず、出かける用意をして森へ向かった。



駐車場にはアタシだけだった。

こんな天気だから当然と言えば当然だけど。



何度も雨の降り具合を確かめ、行こうか止めようか考えていると、1台の車が駐車場に入ってきた。



アタシは一番奥の公園側に停めていたから、相手の車はアタシに気付かなかったのかもしれない。



車から降りたその人は傘をさし、辺りを見る事もなく、森へ入っていった。



「先に入られたのなら仕方ない、帰ろう」



エンジンをかけ、出入口に向かう。

後から来た人の車が停まっていた。




何気なく見ると、それは圭介の車だった。





< 32 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop