時空の森と悪戯な風
次の日の朝早く。
イヤな音で目が覚めた。
カーテンを開けて見てみると、雨が降っていた。
「止むだろうか…」
取り敢えず、出かける用意をして森へ向かった。
駐車場にはアタシだけだった。
こんな天気だから当然と言えば当然だけど。
何度も雨の降り具合を確かめ、行こうか止めようか考えていると、1台の車が駐車場に入ってきた。
アタシは一番奥の公園側に停めていたから、相手の車はアタシに気付かなかったのかもしれない。
車から降りたその人は傘をさし、辺りを見る事もなく、森へ入っていった。
「先に入られたのなら仕方ない、帰ろう」
エンジンをかけ、出入口に向かう。
後から来た人の車が停まっていた。
何気なく見ると、それは圭介の車だった。