時空の森と悪戯な風
その ー 夢 ー
あの頃と違って、今のアタシは車を運転して、そこまで行ける。
シャワーを浴び、身仕度を整えて家を出た。
車に乗り地図を開く。
「かなり距離あるなぁ。ちゃんと着くんだろうか。カーナビ買っておけばよかったな…」
いつも圭介の車で出掛けてたから、そんな物なんて必要なかった。
「大丈夫!行ける!方向音痴じゃないもん!」
エンジンをかけ、出発した。
夢の中で父に言われた
『素直に、正直に』
分かってるよ、ちゃんと言わなくちゃならないのは。
だから、その為にも、智治が住んでた場所に行かなきゃならないんだ。