時空の森と悪戯な風

長く、その場にいられなかった。

熱かっただろう…

苦しかっただろう…



そう思うと、辛くなって、涙が次々と流れ落ちた。



智治は、葬儀にも行かなかったアタシを…

墓前にも行かなかったアタシを、どう思っただろう。



心に智治が残ったままなのに、圭介と付き合うアタシの事を、どう思っただろう。



彼の家の跡地を見て『もっと早く、ここに来たらよかった!』
と思った。



そして、早く森に行って、智治に会わなきゃとも思った。




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