時空の森と悪戯な風
「夢か…」
酷く喉が渇いた。
冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出すと、ゴクゴクと半分以上を飲んだ。
時計を見ると、夜中の2:00だった。
「ハァ…すごい夢…」
激しい動悸は、まだ治まらない。
ソファーに座り頭を抱えた。
夢だったけど圭介にも、智治にも言われてるような、リアリティーある夢…
『死んだ男なんだぞ!』
夢の中での圭介の言葉が、耳に付いて離れない。
智治にメールを送信しても、エラーで戻ってくる。
電話しても繋がらない。
家に行ってみたけど、智治の家は雑草だらけの空地になっている。
これは現実。
そして智治は
“亡くなった人”
頭では分かっていても、心が、それを拒否し続けている。