時空の森と悪戯な風

「夢か…」



酷く喉が渇いた。

冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出すと、ゴクゴクと半分以上を飲んだ。



時計を見ると、夜中の2:00だった。



「ハァ…すごい夢…」



激しい動悸は、まだ治まらない。

ソファーに座り頭を抱えた。



夢だったけど圭介にも、智治にも言われてるような、リアリティーある夢…



『死んだ男なんだぞ!』



夢の中での圭介の言葉が、耳に付いて離れない。



智治にメールを送信しても、エラーで戻ってくる。

電話しても繋がらない。



家に行ってみたけど、智治の家は雑草だらけの空地になっている。



これは現実。

そして智治は

“亡くなった人”



頭では分かっていても、心が、それを拒否し続けている。






< 49 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop