時空の森と悪戯な風
ここは…あの噂の森だった。
大木の前に父がいる。
『弥生…伝えたい事は、ちゃんと言うんだよ』
そう言うとフッと消えて、今度は智治が現れた。
『弥生…寂しいよ…』
悲しい表情の彼。
「智治…アタシ…」
そう言いかけると、智治の顔が圭介に変わった。
『弥生は一体、誰が好きなんだ?誰を必要としてるんだ?』
「圭介…」
『お前は何も言わない。弥生の本心が分からない』
そう言うと圭介は消えてしまった。
カーテンの隙間から差し込む日差しの眩しさで目が覚めた。
智治が森で待っている。
会いに行かなくちゃ…