時空の森と悪戯な風
その ― 愛 ―
智治が言った通り、圭介が時空の森に来た。
『いいか、黙って見てるんだぞ』
「うん」
アタシの真下には、圭介と光に包まれてる智治がいた。
「なぁ…まだ弥生は目覚めないんだよ…
弥生は、アンタに会いたくて薬飲んだんだよな…
本当は、あのまま死なせた方が、弥生の為には良かったんだろうか…」
智治は黙って圭介を見ていた。
「俺にとって、弥生は失いたくない人なんだ…
弥生がアンタを想うように、俺も弥生を愛してるんだよ…」
顔を覆う事もなく、唇を震わせながら涙を流す圭介を初めて見た。