光と影
家に帰ると
圭也が遊びに来ていた。
私の2コ上のお兄ちゃん、
海斗(カイト)と友達で、
私の家がたまり場になっていた。
私が部屋で携帯をいじってると
ノックがして、圭也が顔を出した。
「海斗君寝ちゃって暇ださー。
入ってもい?」
私は戸惑いながらも頷いた。
そしてベッドに圭也が座る。
すごい気まずさの中、
口を割ったのは圭也だった。
「バスケ部だもんねー。楽しい?」
「うん。楽しいよー」
「俺もバスケわや好きなんだよねー」
「そうなんだー面白いもねバスケって」
そんなたわいもない話をしててわかった。
初めて話したのにわかった。
"きっと、いい人なんだろうなー"
って。
あっという間に時間が過ぎた。
「そろそろ帰るかなー!
咲ーアド教えて」
圭也が別れ際に言った。
その夜、圭也からメールが来た。
内容に私はびっくりした。
<咲のこと好きなんだ。
付き合ってほしい>
私は戸惑った。
だけどそんな戸惑いも一瞬で消えて
<いいよ>
そう送った。
和矢を忘れたかったのもあるかもしれない。
でも、
圭也をもっと知りたいって思ったのも
嘘じゃないんだ。