先輩のスーツ姿―卒業―
―――――――
先輩との記念撮影を
終えて戻ってきたゆかりは
行く前よりも
幸せそうだった。
「見せてよー!」
「いいよっ?」
そういって
画面に移しだされた
一枚の写真。
写真のなかの
ゆかりは
とても、幸せそうだった。
「夢みたいだった―…」
夕日に照らされた
ゆかりが
ぽつんと呟く。
「そっか……。
一生、忘れないね―…」
「うん…!」
そういうゆかりの目には
うっすらと
涙が溜まっていた。