先輩のスーツ姿―卒業―

「おめでとう」

先生も、うれしそうに
言った。


あたしは
その光景を、
見ていた。



ふと、先輩が
後ろをむいた。


「あれ、海(うみ)ちゃんじゃん」


先輩が顔を近付けてくる。
「こんにちは!先輩、受かったんですか?」

すると、先輩は
さらに笑顔になった。

「おう!マジ受かってよかったよ!あそこ、倍率高いからな」

「先輩なら受かるだろうと思ってました!」

「まじ?サンキュー」

「おめでとうございます」

「ありがと!」


そういって
先生のとこに
戻っていった。



先輩の背中は、
希望に満ちあふれてて


そう、

なんか遠い存在のように見えた。



< 6 / 22 >

この作品をシェア

pagetop