2人のゴール
★2★
数学の時間
【慎也side】
俺の好きな数学の時間。
数学はあんまり好きじゃねぇけど、咲月と話せるのは、数学の時間が多い。
つまらない先生の話を聞く。
「じゃあ、この問題解いて」
……垂線?
垂線を作図しろっていう問題。
垂線って、どうやって書くの?
「おい、咲月。垂線ってどうやって書くの?」
そしたら咲月は、「そんなのも分からないの?」みたいな顔をした。
しょうがねぇじゃん。
俺バカだし。咲月みたいに頭よくねぇもん。
「えっと……点Pから適当な長さで半円を書く」
俺はその通りに書いた。
「こう?」
咲月の顔を見る。
悲しそうな顔はしていなかった。
「うん。そしたら、コンパスを少し広げて、交わったところを中心にして、この辺に印をつける」
……近い。
「その印が交わったところと、点Pを通るように線を引く」
「これでいいの?」
「そうそう」
笑顔だった。
もう、気にしてないのか?
それなら、いいんだけど。
俺の好きな数学の時間。
数学はあんまり好きじゃねぇけど、咲月と話せるのは、数学の時間が多い。
つまらない先生の話を聞く。
「じゃあ、この問題解いて」
……垂線?
垂線を作図しろっていう問題。
垂線って、どうやって書くの?
「おい、咲月。垂線ってどうやって書くの?」
そしたら咲月は、「そんなのも分からないの?」みたいな顔をした。
しょうがねぇじゃん。
俺バカだし。咲月みたいに頭よくねぇもん。
「えっと……点Pから適当な長さで半円を書く」
俺はその通りに書いた。
「こう?」
咲月の顔を見る。
悲しそうな顔はしていなかった。
「うん。そしたら、コンパスを少し広げて、交わったところを中心にして、この辺に印をつける」
……近い。
「その印が交わったところと、点Pを通るように線を引く」
「これでいいの?」
「そうそう」
笑顔だった。
もう、気にしてないのか?
それなら、いいんだけど。