2人のゴール
☆5☆

気になる人

【咲月side】

 あれから、慎也への気持ちが少し小さくなった。
 慎也とも普通に接することができるようになってきた。

「咲月、期末テスト何位だった?」
「8位」
 中間よりも下がっちゃったんだよね~。
「波香は?」
「17位」
 波香もまぁまぁいいじゃん。
「8位って南大樹と同じだ」
「南大樹!?」
 南大樹。
 それは幼稚園生のころ、仲が良かった男の子。
 大樹くんは、私のことが好きだった。
 幼稚園生のころだけどね。
 大樹くんが8位かぁ。
 大樹くんって頭いいんだねぇ。
 超意外!!だって、大樹くんによくスカートめくりされたもん。
 なのに頭いいなんて。
 しかも同じ8位。
 それから、なんか大樹くんのことが気になり始めた。
「咲月って南大樹って聞くと興奮するよね」
 だって、懐かしいんだもん。
 いいなぁ、波香。大樹くんと同じクラスなんだぁ。
 うらやまし~。
「大樹くんって塾とか行ってんの?」
「いや、行ってないよ。俺暇人だからとか言ってた」
 暇人……なんだ。
 じゃあ、部活とかやってないのかな?
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