2人のゴール
 慎也か。
「知ってる」
「エスパー?」
 最近は慎也といてもドキドキすることが少なくなった。
 もう好きじゃないってことなのかな?
 それに、大樹くんのこと気になっちゃってるし。
「もう違うんだ」
 きっと、もう違うよ。
「じゃあ誰!?」
 誰って……好きな人は今いないし……。
「今はいない。でも気になる人なら……」
「え、誰?!」
「南大樹」
 これはすぐに言えた。
 恥ずかしくなかった。
 慎也とは違う感情がある。
 まだ、大樹くんのことは好きになれない。
「へぇ~。何組?」
「4組」
 このことは、真希にしか言ってない。
「じゃ4組行こ!その人見てみたいし」
 そっか。真希と大樹くんは小学校違うんだよね。

 真希に無理やり4組の教室に連れてこられた。
「どの人?」
 私も4組の教室をのぞく。
「後ろの黒板にいる」
「え?どれ?」
「制服、着てる」
 何度見ても、慎也の方がかっこいい。
 慎也と大樹くん比べるなんて、最低だよね。
「えぇぇ!!あれ?!」
 どう思ったかな?
「全然かっこよくないじゃん!!」
 そう思うのは私も同じ。
 っていうか、まだ好きじゃないし。
「どこが好きなの?」
「好きじゃないよ」
 大樹くんに、恋愛感情はない。
 それだけははっきりしている。
< 72 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop