2人のゴール
12月。中1もあと4カ月で終わる。
短いようで、長かった。
変わったことといえば、部活があること、放課後に残ることが多くなったこと。
そして、亮を好きでなくなったこと。
もうひとつ。
慎也への気持ち。
私もよく分からない。
なんていうか……慎也が、私にとって、気になる存在になっていた。
「席替えします」
席替え。
私は、慎也の隣になることを望んでいた。
気付いたら、そんなことを思ってしまっていた。
席はくじ引きで決める。
運がよければ、慎也の隣になるのかな?
これだ!
私が引いたのは、「3」だった。
まだ隣は決まっていない。
慎也はまだ席が決まっていなかった。
お願い。「3」を引いて。
慎也が引く前に、隣が決まってしまった。
笠寺。
笠寺と隣になるの2回目だし。最悪。
私の席の通路側の席に座っていたのは……慎也。
「またお前かよ!」
慎也は笑いながら私に言った。