2人のゴール
★6★

告白

【慎也side】

 今日は修了式の前日。
 つまり、俺が咲月に告白する日。
「佐久間、俺、大丈夫かな?」
「大丈夫だよ。思いっきりぶつかってこい!」
 ぶつかってこいって……勝負じゃないんだから。
 まぁ、ある意味勝負だけど……。

「石橋ー!!」
 咲月を呼ぶ笠寺。
 笠寺には、嫉妬しない。
 だって、笠寺も咲月も、お互い恋愛感情も何もないから。
「南大樹が昼休みに西階段に来てだって」
 南大樹?!
 誰だよ、南大樹って。
「マジ?!やったー!!」
 咲月、嬉しいのかよ。
 咲月の好きな人って、南大樹なのかよ。
「吉田、そんなに落ち込むなよ」
 心配してくれる佐久間。
 けど、誰だって落ち込むだろ。
 この状況は。

 もしかしたら、今告白しないとまずいんじゃないか?
 昼休みには、もしかしたら南大樹ってやつに告白されてるかもしんねぇし。
 とは思ったけど、やめた。
 予定通り、放課後に告白することにした。

 給食の時間。
 俺は勇気を出して、咲月に聞いてみた。
「咲月って南大樹のこと好きなの?」
 頼む、違うって言ってくれ。
「違うよ。大樹くんとは、幼稚園生のころ仲良かったんだ。だから、久しぶりに話すのが嬉しくて」
 そういうことか。
 でも、告白されたら、付き合っちゃうんじゃねぇかな?
 だって、幼稚園生のころ、仲よかったんだろ?
 久しぶりに話すのが嬉しいんだろ?
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