2人のゴール
俺にもいつか、運命の女ってやつが現れんだな。
将来、好きな人と結婚できれば、それでいいよな。
だから、今の恋なんて……。
「咲月とられっちゃったね」
俺に明るく話しかけてくるのは松田。
松田、俺が咲月に告白したこと知らねぇな。
「俺、もうふられたし……」
「え?!吉田、咲月に告白したの!?」
「うん。したよ」
俺の気持ち、全部咲月に伝えた。
「ちょっと遅かったね」
「は?」
「前は吉田のこと好きだったのに……」
松田も同じことを言う。
七瀬が言っていたことは本当みたいだ。
何で、もっと早く告白しなかったんだろう。
もっと早く告白すればよかったって、すごく後悔してる。
今日の部活で、田中先輩に、咲月に告白したこと、ふられたこと、咲月は前は俺のことが好きだったということ、全部話した。
「お前ばかだろ!!」
最初の一言がこれ。
かなり傷つくんですけど……。
「前に、お前とその子は両思いって言っただろ?!」
そうだけど……両思いじゃないって思ったから。
「お前、鈍感すぎ」
そんなストレートに言わなくても……。
「ちょっと遅かったな」
みんなにそう言われる。
ホント、ちょっとだけ遅かったんだよな。