【BL】陽のあたる場所
◎瑞樹side
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授業の終わりを告げるチャイムが鳴ると同時に皆席を立つ。
丁度昼休みということもあって行動が早い。
皆手作りと思われるお弁当片手に思い思いの場所に移動する。
俺は案の定お弁当なんぞ持ってきているわけもなく毎度の事食堂へ直行。
言っておくが一人で行くわけじゃないじゃない。
ちゃんと一緒に食べる人くらいいる。
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「そいやさ、二年にすんげー美形が転校してきたんだとさ」
「え、まじ!?だれだれー?」
「その話俺も知ってる、確か…生瀬、とかなんとか」
「瑞樹知ってるー?」
「……生瀬?」
―――生瀬、
どこかで聞いたことのある名前。
けれどその記憶は曖昧で、思い出せる気がしない。
遠い遠い昔の記憶。
凄く大事な思い出の断片な気がする。
体の奥の方がざわめくのが分かった。