【BL】陽のあたる場所



記憶の断片にある“生瀬静真”
確かに知っている。
遠い昔の記憶。


 
 :



―――9年前、


当時小学三年生だった俺は
隣の家に住んでいる一つ年下の静真と
仲が良かった。
暇さえあればお互いの家に泊まったり、
学校から帰って来ればすぐに
静真と遊んだり。
とにかく仲が良かったのだ。


だが、ある日突然隣の家から静真が消えた。
否、人の気配が消えた。


暫く経ってから親に聞くと
静真は親の仕事の都合でヨーロッパへ
行ったのだと言う。

あいつは何も言わなかった。

俺は何も聞いてなかった。




それ以来、静真とは会っていなかった。

会う予定もなかった。




「偶然だとしたらすっげーヤな偶然」









 :
< 5 / 6 >

この作品をシェア

pagetop