後輩はダメですか?①
「え!?いいよ、翔くんが濡れちゃうよ?」
「俺はいいっすよ。先輩使ってください。」


そう言って傘を差し出す。


「まじで大丈夫だから…ね?」
「でも…あ!じゃあ…。」
「なに??」
「一緒に入りますか?先輩が嫌じゃなければ…。」


え?それって…。


「やっぱり、嫌ですよね…。」


翔くんの顔色が曇る。


「嫌じゃないよ!じゃあ…せっかくだし。」
「優しいですね。」

翔くんがニコって笑う。


―――ドキッ

まただ。
また、胸が苦しくなる。


二人で同じ傘に入り歩き出す。
緊張しちゃって、何を話せばいいか分からない。


先に口を開いたのは翔くんだった。


「前にもこういうことあったの覚えてますか?」
「え??」
「去年なんですけど…」
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