後輩はダメですか?①
こんなことってあるのかな…。


「この傘、先輩のなんです。」
「私の??」
「仮入部の時先輩と話して、もしかしてって思ったんです」
「私…気付かなかった。」
「そりゃそうっすよ!背も伸びてるし。」


確かに、男の子っぽくなった。


「これって運命なんですかね?」
「運命…?」
「あの時、この傘借りて…また会いたいってずっと思ってた。」
「翔くん…」
「また会えてすっげー嬉しい。」


翔くんは笑った。
その笑顔に…心が揺らぐ。


「これからも仲良くしてもらえないですかね?」
「え?!こちらこそ」


ドキドキが止まらない。
自分ではよく分からないけど…、これが『恋』て言う奴?
自分の心が『変』になったら『恋』??


私は翔くんに…恋してるのか?

「先輩の家ってここっすよね」
「うん。ありがとう」
「いえいえ、ではまた明日」
「バイバイ」


翔くんの後姿を、いつまでも眺めていた。
目が離せなかった。

自分の気持ちに気づき、その気持ちに納得している。
でもどうしてだろう?涙があふれ出してきた。




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