後輩はダメですか?①

好きです。

試合が始まった。
やっぱり翔くんはずば抜けてうまい。


「美沙♪翔くん上手だね」
「うん。すごい」
「あ!シュート打った」

翔くんが打ったシュートは、静かにゴールに収まった。
「ナイシュー!翔!!!」

ベンチは盛り上がる。
翔くんが走る姿はかっこよくて、頭がぽーっとする。


『ピー!!!』
大きな笛の音で、我に返った。

「なに?」
コート上を見ると、翔くんが倒れてる。

「どうしたの!?」
「み、美沙??」
「翔くん!!!!!」
「美沙!?どこ行くの?」

麻紀に呼び止められたと思うけど、私は止まれなかった。
私自身どこに向かえばいいか分からない。
体が勝手に、行かなきゃって…。


階段を降りきったところに、翔くんがいた。

「翔くん?」
「先輩!来てたんですか?」

明るくふるまう翔くん。

「うん。それより、足が…」
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