後輩はダメですか?①
翔くんの足は、パンパンに腫れあがっていた。

「着地したときにひねったみたいで。」
「ねんざ??」
「そんな感じです」

「あはは」と笑う翔くん。
でもその顔は…引きつっていた。


「先輩?」
「…っ」
「なんで泣いてるんですか?!」
「ごめん…でも。辛いのに、痛い…のに、無理して笑わなくてもいいよ?」
「先輩」
「本当にごめん!私泣き虫で…」

止めなきゃと思って涙をぬぐうけど止まらない。
そればかりか、どんどん溢れてくる。

「ごめんね、…ごめ」
「先輩…泣きやんでよ」
「ん」

ちょ!え??!
翔くんにキスをされた。

「しょ、翔くん!?」
「俺、先輩のことが好きです。1年前のあの日からずっと。」
「…」
「後輩はダメですか?」

ダメなわけがない。断る理由がない。
「…え、っと」
でも、言葉が出ない。

「先輩?やっぱ後輩は…」
「違う!それは違う!ちがうよ…」

情けない。翔くんはこんなに頑張ってくれたのに。
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