とある女の子の小さな恋の物語。
「そぉ、ですけど。」

君が声をかけてきたのは、夏。

夏。6月くらい。

グレ−の空に、銀色の細い、雨がふってた。

4月のあの時から、

アリアケマサキは電話もメールもしてこない。

・・・別に、どうだっていいけど。

「私、転校してきました。アンザイリョウです。」

「アンザイ、さん。わかりました。職員室??」

「あ、はい!」

向日葵みたいな笑顔。

「こっち。」

席を立って、私は職員室へ案内した。

ぴょこぴょことウサギみたいに着いてくる

アンザイリョウ。

漢字、わかんない。

ストレートの栗色の髪を少し内巻きにして

ほっそりした顔。

大きい瞳。

ピンクのうすい唇。
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