ウソつきな本音

この声が暖かくわたしの耳を叩くから、わたしは半ば強制的に眠気追い払ってしまう。


「なぁにさぁ、眠いのにぃ」



わたしは振り返ってコータを睨む。


笑い混じりだけどね。



「おはよ、リネ」



って笑顔でそんなことを言う。


ほらまたその笑顔。


わたしはやっぱりくすぐったくなって、目を少しそらしてしまう。



「まだ寝てないってば」



「デコにボタンのあと」



そう言われて、わたしはまた慌てておでこをさする。


しかし、手触りはいつもの自分のおでこ。



あれ?


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