ウソつきな本音

するとコータは嬉しそうに目を丸くして言う。



「マジで!?じゃあさ花火やんねえ?」



「はっ?花火ぃ?」



わたしは呆気にとられた。



「そ、花火」



「ねぇコータ、今何月か知ってる?」



今はまだ6月の半ば。まったくの季節外れとは言わないけど、ちょっと早まりすぎなんじゃないの?



「いや、わかってるんだけどさ、去年の花火使っちゃいたいんだよね」



「いいじゃん、今年の夏、花火シーズンに使えばさ」



「ダーメ。今年の夏は新しい花火で新しい夏をむかえんじゃん」



と、コータは唇を尖らせる。

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