ウソつきな本音
制服の袖のボタンがあたってたんだ。きっと。


おでこをさすりながら、指の隙間から彼を見る。



…まだ笑ってる。



やっぱり彼特有のくすぐったい笑顔で。


でもさすってる間は、そのくすぐったい笑顔も不思議と見ていられるのだ。


わたしの右手が、わたしの顔を隠してくれている間だけは……



「ねぇ、いつまで笑ってんのさ」



半ば照れ隠しのような感じでコータを睨む。


でもコータはそんなのお構いなしに、ばかりか笑顔を3割増にした。



「リネのデコからボタンの痕が消えるまでだよ」



……しかも悪戯っぽさまで加えて!

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