わがまま、言わせてよ【ミュージシャンとの恋】
あたしは、今教えてもらったトイレへと急いで向かった。
「気をつけて下さいねー」
鈍感なマネージャーだ。
それとも、周りをちゃんと見ていないのか。
…別に、ちゃんと見てほしいというわけではないが。
走っていたあたしには、もうマネージャーの言葉なんて聞こえていなかったー……。
ジャーーーーッッ
『ゲホッ、ゲホッ−…』
ハァ……苦しい−−…
『ぅう…、ゲホッーー…』
自分の長い髪にかからないように、必死に手で持ち上げた。