わがまま、言わせてよ【ミュージシャンとの恋】
たった三ヶ月見ていなかっただけだけど。
あの日と全く変わらないー……。
ヨシキの愛用する香水の匂い。
流れている曲も。
フロントガラスの元に置いてある、男の子と女の子が手を繋いだくまのぬいぐるみも。
何も変わってない。
あたしは、その事に、少しホッと安心する。
エンジンをかけて、あたし達を乗せた車が走り出す。
−−…♪−…
「うひょー、まだファン溜まってるよ…」
「どこ?」
「ん」
ヨシキの指差す方に、視線を移す。