わがまま、言わせてよ【ミュージシャンとの恋】
「いってーッッ!!!!?!」
「ヨシキが1番人気なんだから、ヤバイだろうが!!」
あたしは引き続き、叩く叩く、叩く。
ポカポカ叩き続けていると、前進していた車が急にカーブした。
自分の体を支えられなくて、ヨシキの方へ倒れ込んでしまった。
ヨシキにしがみつき、見上げれば、ヨシキがハンドルをくるくる回してる。
「なにしてんの…?」
ヨシキを手摺り代わりに、窓から外を覗くと……明らかに帰る道ではない。
どこに向かってるんだ、この男。