わがまま、言わせてよ【ミュージシャンとの恋】


お礼が言いたかったけど
そんな暇もなく、
あたしの手を引いてどこかに進んでいく。







−−その時の

大きな手が

すごく

すごく

温かった……。













連れていかれた場所は
あまり、目のつかない路地裏。


「はい
座れ、座れ」

そう言うと
ちょうどよくあった大きなごみ箱の上に、あたしの肩を押して座らせた。



変な臭いがするし……

今座ってる
このごみ箱も
すごく汚い……



嫌そうにしていたら、予想外の事を
ギタリストが言った。


「そのタイツ脱ぎなよ」




−−はい!?
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