わがまま、言わせてよ【ミュージシャンとの恋】


「どーした…?」

寒さを堪えながら出しているような声だった。


…たしか
明日のライブは、北海道だったよね?

そんなんで明日どうするんだよ…。


「あたしも寝る」

「寂しいのか(笑)」


そうだよ。
…だけど言えない。

言ったら、ヨシキに迷惑をかけてしまう。

私情なんか、言ってはダメだ。


「…寂しくなんかないもん」

……嘘だよ。

「ただ、寒いだけ…」

そう言うと
ベットに駆け寄った。


「…そっか、ほら」

布団の端を上げて、手招きするヨシキ。


布団の中に入る前、あたしはヨシキに
軽くキスをした。


笑ってくれた。


「今日はできないからなー」
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