わがまま、言わせてよ【ミュージシャンとの恋】
いつの間にか、
あたしは眠っていた。
泣きすぎで疲れて寝ていたのか、頬が涙跡でカサカサだ。
起きたのは
ケータイの着信音が鳴りはじめてから数秒経った頃。
寝ぼけ眼をこすりながらも
ケータイを手に取り、電話に出た。
『おーい!
大丈夫かぁー?』
「……」
大好きな彼の声を聞いても、
猶も寝ぼけたままで返事が出来ていなかった。
だが、
あたしはある単語一つで一気に目が覚めることになる。