【執筆チャレンジ】タイムカプセル『結』
印があったと思われる場所を掘ることしばし。

佐知のシャベルの先に、手応えがあった。

「石じゃない…これかな?」

不安と落胆、微かな希望を抱き、慎重に土を掻き分ける。

「…あった…」

見覚えのある、黒いテープを巻きつけた青いビニール袋。

全員が、少しの間だがただ黙ってそれを見ていた。

(見つけた…)

(あった…)

(出てきたか…)

(どうしよう…)

思惑は様々。

いよいよ、開けることになった。

テープを剥がして袋を開くと、なかから小さなバケツが出てくる。

「あっ…」

俊が驚きの声を上げる。

取り出したバケツには、大きな亀裂が入っていたのだ。

「これは…中身はダメかもしれないね」

胸を撫で下ろしながら、佐知が言う。

「まあ、とりあえず開けてみようよ」

万里花が手を伸ばし、蓋を取る。

バケツの中には、一本のビデオテープが入っていた。

「このシール…」

ビデオテープに貼られたシールを見た4人は思い出した。

本当は、5人でタイムカプセルを埋めたのだということを。
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