うらばなし
――端から見れば、所詮は“独り言”(私の作品)としか見えないだろう。それでも、聞こえてしまう。幻聴幻想とした枠組みでは、収まりきらないような“彼ら”。
誰からもその人生を、彼らの物語を閉ざしてしまったのは紛れもない私だと言うのに。
『この人に合わせてもらえただけで十分』『楽しい人生を送れたよ』『いつかまたな』
そればかりが頭を巡り、みんな笑顔で。
『ありがとう』
と言ってくる。
醜悪にまみれた感情ばかりが募る私には、勿体ないほどの出来た人たち。
私の頭の中の出来事なのに、みんなして“独り歩き”するものだから――