うらばなし
あなたが産まれ、私が生まれた
「おやおや、部屋に引きこもってしまいましたねぇ」
「あの訳の分からん奴が来るからと、開けないみたいですよ。ほっとけばいいんじゃないんですか、姫」
「そういう訳にはいきませんよ。もうすぐ、一大イベントがあるのですから」
「ああ、うらばなしが1100ページになるからですか?た、大砲はダメですよ!姫がお怪我でもされたらっ」
「違いますよ、クロス。それよりももっと、大切なイベントです」
「えっと……」
「6月は、空波の誕生月なのですよ」
「あ」
「『忘れてた』って顔ですね」
「す、すみません。姫以外の誕生日なんて……って、あくまでも騎士として主君の誕生日を覚えていただけですから変な意味ではな……だーっ、俺はなんでこうも余計なことを!」