うらばなし


千人受けする小説は書いた。しかして、その他の納得できない人たちはどうするかと聞かれたら、別の作品を書くしかない。至って合理的かと思いますが。


人間は無数にいますからねぇ。仮にも万人受けしようとも、それは“ごく僅かでしかない”ことを悟るべきです。


一つで全てを納得させることはできないのですよ。ならば、二つ、ダメなら十、ダメなら百と数を増やして、まだ楽しませてない人を楽しませるのがいいかと。


作品は娯楽ですからねぇ。書き手にとっても、読み手にとっても。私は書くだけで楽しめますが、ふむ、読む人にも楽しんでいただきたい気持ちもあります。幻想師ですから。


千人に楽しんでいただいたところで、まだまだ人は無数にいる。全てを楽しませたいと思うのならば、合理的に効率的に――あ、いや、手間はかかりますが、私の浅はかな知識ではこれしか思い付きません。


< 116 / 1,773 >

この作品をシェア

pagetop