うらばなし
「……」
「ねえねえ、早く。こどもを待たせたらいけないんだよ?」
「ハーメルン、と言ったな」
「んー?ボクに名前はないよ。おとうさんはそう呼ぶけど、おにいさんの好きなように呼んでいいよー」
「こちらも何でもいいところだ。ハーメルン、君は『いい子』なのだろう」
「うん!すっごくいい子だよ。一番かわいいこどもだもんっ」
「なら、『お手伝い』をしてくれないか」
「お手伝い……!『いい子』がすることだねっ。やる、いっぱいやる!」
「そうか」
「誉めてっ」
「お手伝いする前からか」