うらばなし


「……」


「……、ぐす」


「……!」ドキッ


「こっちのポチも嫌いっ。どーして、ボクを愛してくれないのっ。こんなに可愛いのにっ。あのおにいさんもそうだっ!こどもに嫌われる大人なんか要らない!みんな、いなくなっちゃ――」


「それ以上言うならば、おやつ抜きだ」


「え……ふぇっ」


「大嫌いだのなんだのと、そんな口の利き方を誰に習った」(頬グニーン)


「い、いふぁ……つぅ、離して!こどもに暴力ふるっちゃいけないんだよっ。こどもは、守らなきゃいけないんだからっ」


「俺は君が嫌いだ」


「っっ!」


「言われて、どんな気持ちだ?」


「……」


「それはつい先ほど、俺が味わった気持ちであり。傷つくのは、“そう思ってほしくないほどに好いている”からだ」


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