うらばなし
ものすごく姫が厳しく見えますね。もちろん、嫌いにはなりませんが。
「私は心配なのですよ。“壊れているあなた”が。自分で自分を否定するあなたが。作家として、いいえ、人間として本当に心配です」
でしょうね。姫が怒る時って、大抵、その人のためであることですから。
「どうですか。自分がその対象になるのは」
胸に来るものがあります。
「そうやって全てを素直に受け入れられればいいのですがねぇ。汚いからって、いったい全体、それがどうしたというのですか。
世界の醜さ、現実の厳しさ、幻想の縁遠さ。思い通りにいかない世界を汚い違うと喚いたところで何が変わると言うのですか?
世界が醜いならば綺麗に書き、現実が厳しいなら優しく生き、幻想が縁遠いならば近づけばいい。
ただそれだけのことなのですよ。あなたが視ている“汚さ”というものは」