うらばなし
姫はそうやっているからこそ、世界が綺麗に視えるのですね。
「見方が違うのですよ、見方が。あなたが――誰かが、私と違った見方でいようが私には責める権利はありませんが、同じにしてもらっては困ります。私の視る世界を勝手に汚さないでください」
すみませんでした。
「分かればいいです。ついで、あなたは物事を綺麗にできる手段があるのですから。ああ、いえ。汚くとも、それはそれであなたの娯楽に繋がるでしょう。
作品を書くにあたって綺麗ごとばかりでは、面白くもなんともないですから」
私の深読みも役に立つのですねぇ。そう考えると。
「浅はかであれば、あんな文章書けるはずがない。何度も言いますが。安易に書くほど、あなたが“言葉の重み”を知らないはずがない。
意味を意思を意図を、再現し再生し再認し、浮上し表現し具現して、初めて伝える文章を書くのがあなたなんですから、浅はか短絡的であると語ってはいけませんよ」