うらばなし


兄さんにいたずらやなんて、背徳感あって今すぐ切腹したい気ぃになるんやけど、僕の着物を知らずに着て過ごす兄さんも見てみたい。

そうして兄さんが寝間着になった時にネタばらし。ああ、もう兄さん、ごめんよっ。でも兄さんなら怒らないよね?『冬月はいたずらっ子やなぁ』って、笑ってくれるよね?分かる、分かるよ。兄さんは僕のこと愛してくれているから、許してくれる!

しかもか、僕の理解者たる兄さんは、『そない甘えたいん?一緒寝よかぁ。おいで』だなんて言うに決まっている!『おいで』って、あまぁい声で、聞いただけでも耳が孕むような『おいで』をして、つぅーっ、嬉しい!兄さんと一緒に寝て、寝ている兄さんを横にして何もせずにいられる――わけないじゃないか!

いたずらだなんてしたくないっ、着物の取っ替えっこだけで切腹したい気持ちになるのに、寝ている兄さんにいたずらなんて、っっっ、あーもう、兄さんに首切ってもらえばいいかーっ!

嫌なら殺してもらえばいい、ああ、そうだよっ。あ、でももしも、『良い』だなんてなったら……クハッ、あはははー、ああ、今夜が楽しみぃ!」


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