うらばなし
群像劇


「また難しい言葉が」


難しくはありませんよ。群像劇とは、同一の時間を複数の人物の視点から見ることを言います。


「よくケータイ小説にあるsideとか言うあれか?」


あー、えー、んー。

「なに、迷ってんだ」


ケータイ小説にありがちなsideですが、まあ、確かにあれも、様々な人物視点で見るのは変わりないのですが。

一般の本にある群像劇形式を見たあとに、ケータイ小説のsideを見ると似ているようで丸っきり違うだろう、と思いますよ。誰だって。ペプシコーラとコカ・コーラ並みの違いです。


「で、その群像劇がどうしたんだ」


いやね、ふいに群像劇形式のミステリーを思いついたのですよ。


以前書いたミステリーで、もちろんケータイでも原稿でもありますが、もっと全登場人物の本質を詳しく書き、誰にでも殺害動機を匂わせた方がいいのではないか、なんてアドバイスがあり、確かになぁと考えていたのです。


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