うらばなし


姫「ええ、私の手で」


イ「なんと!?」


姫「激しい戦いでした。大地は裂け、空は割れ、宇宙も砕けるほどの凄まじい戦いの果て、私は勝利しました」(遠い目)


イ「馬鹿な、千年真祖があなたのような女性に負けるなどと!」


姫「『私が勝てなかったのに』?」


イ「っ!」


姫「イリイア。神に仕える者として、私情を挟み、憎悪で胸を焼くのはどうなのですか?悪を憎む気持ちは分かります。しかして、『勝てなかった』と悔いるならまだしも、勝った当人に――そう、『仇を取られた』と憤るのは醜いことでは?」


イ「おっしゃる、通りです……。自身の力に驕りがあった。神に与えられた力にせよ、使うのは私。神のご意志ではなく、自身の私情で敵を討つ醜さを持っていては、崇高なる力の真価を発揮できないのは自明の理。

ああ、私はこれからどうすればっ」


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