うらばなし


「それで行き着いたのが群像劇形式か」


ええ。
本質を表すならば、まずその人物の心理を浮き彫りにすればいいのではないかと思いましてね。


同一の時間、つまりは殺害が起こるまでそれぞれの人物は、何を思い、どんな行動をしていたのかを書けばいいのでないかと。


「確かにそうすれば、色んな見方ができるな。つうか、動機とか丸見えにしたら、犯人分かるんじゃないのか」


全ての犯人に殺す動機をつけるのもいいですが、あえて、誰にも動機をつけないのもいいかと。


「は?それじゃあ、事件は起こらないだろう」


読み手が見ている分には、動機に見えないことが動機だったりと。えー、なんて説明しましょうかねぇ。ともかくも、ラストにはそれが動機だったのか、と驚かせてみたいです。


さて、プロットでも書こうかな。


「プロットは書かないんじゃないのか」


群像劇形式にプロットなしはさすがに危ないです。


何せ、同一の時間に複数の視点ですから。


寸分たがわぬ時間が求められるのですよ。


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