うらばなし


カ「全裸じゃないから許される」


ミ「許せるかっ!」(ぎちぎちぎち)


姫「どうやら和解したようで、何よりです」


カ「ああ、本当に。ミナナに組み伏せられるだなんて始めての経験だ。ええと、今日は何日?」


ミ「記念日にしないっ。それと、そこのあなた。いったい誰で――あれ」


カ「いないね」


ミ「な、ん。さっきまでいたのに」


カ「俺たちの邪魔になるといなくなったかな」


ミ「なんであなたは冷静なんですか。人が消えたんですよ」


カ「よくあることじゃない。廃病院なんかを根城にすると、ああいった類いはざらだ」


ミ「……、ゆう、れい?」


カ「あれ、ミナナ。もう関節キメるのは終わり――って、ミナナ。どうしたの、抱きついて」


ミ「……」


カ「……、もしかして」


ミ「言ったら絶縁します。気付いたら大嫌いになります」


カ「言わない気づかない、さっきあったことは全て忘れたよ。ミナナは単に、半裸の俺に欲情したんだよねぇ」


ミ「それで許しますから、半径一m以内にいてください……」



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