うらばなし
ク「なんだ、ここ。滑り台付きの温泉なんかあんのか。しかもか、ボールやらアヒルやら浮いて、目がチカチカしてきた……」
マ「……」クラクラ
シュ「そりゃあ、ここは子供専用の温泉だからねぇ。お湯の温度もぬるめで、深さもそうない。しかもか、子供が飽きないように流れる仕様のプール温泉だけど」
シャ「ぬっ、貴様はいつぞやの金髪クソジャリではないかっ!何しに来た!あのシュークリームはいずこか!?」
ア「シャルちゃんのお友達?」
シャ「違うわいっ。気をつけぃ、小娘。こやつは今流行りのロリコン人種じゃ!」
ク「だーから、違うってのに!まったく、何なんだ!俺専用って聞いたのに、お子様専用のおん、せ……」
シュ「あはは、ギリギリオーケーなんじゃないの?」
ク「な に が だ!」
ア「わー、ワンちゃんだー」
シャ「小賢しい男じゃのう。小娘に好かれるオプションをつけおってからに」
シュ「いやいや、あれはきっと、あー、そう、保護者じゃない?ほら、子供専用でも、やっぱり保護者同伴じゃなきゃいけないし」
マ「……」キリッ
ク「はああ!?俺がお子様扱いで、マンナカが保護者!?ふざけんなっ、俺は成人している!」
マ「……」(前足ポン)
シュ「いやぁ、騒ぐ子供をたしなめる保護者の図だねぇ。俺も見習わなきゃ。まっ、アリスはいい子だから、叱る時もないけど」
シャ「騒がしいクソジャリじゃのう。ジエロもあんな風に騒いではいかんぞ」
ク「何なんだ、この理不尽は!?もういい、俺は出るからな!」
シュ「えー、まだ湯船に浸かってもいないのにぃ?ゆっくりしていきなよーーというか、行かせたくないな」
ク「は?」
シュ「ごめんね」
ク「どわっーーつつ、な、んだよ!いきなり足払いしやがって、背中打った!」
シュ「顔はともかくとしても、なかなかにたくましい体つきしてるねぇ、お兄さん。美味しそう」
ク「は!?」
シャ「ふん。レディたるわしの体見ても、粗末が粗末のままなのは、そういったことか」
シュ「誰かユーリちゃんかシィちゃん連れてきてくれないかなぁ。そうすれば、シャルちゃんの認識変えられんのに。まあ、今はこのお兄さんで我慢するか。シャルちゃんもど?」
シャ「何を言うておる。わしにそんな趣味はない」
シュ「いやいや、温泉で遊んで喉渇かないかなぁって。倒れる前にこのお兄さんの血液なんなり飲んだら?」
ク「美味しそうって、は?血液?」
シュ「そーそー。俺、吸血鬼なんだよ。ちなみにそっちのシャルちゃんは吸血鬼(俺)の元祖とかで、血液だけじゃなくて、人間の体液なら何でも良い人種だけど」
シャ「雑食扱いするでない。わしとて、血液の方が好きじゃ」