うらばなし
いや、あったんですよ。……前は。
「それをなんで消したのですか。非公開ならまだしも、削除をなさるのですからねぇ」
完結して、しばらく姫たちの本質の物語を公開していたんですが、紙用に一から書き直して、また新たに野いちごに落としたものを見たら……顔から火が……
紙にも書いたし、消しても構わないだろうとなくした次第です。
「それでなんで、私たちをちょくちょく色んな話に混ぜるのですか?」
混ぜるというよりは必要だった、と言い換えてもらいたい。
いくら作品を消したところであなたたちは消えない。良くも悪くも“独り歩き”をなさっている。
あなたたちは確かに存在しているんですよ。
ならば、新しい作品において、必要な時――ちゆまどで言うならば、シブリールとユリウスのしがらみを治せるのは、“人体のワードにおいて万能たる釜”のあなたが必要だった。
ただそれだけです。
患者がいたから医者が必要。それにのっとり、あなたに出てもらった次第ですよ。